InterAqua 出展者の見どころ〜特集記事〜

日水コン

【日水コン】
水×エネルギーで工場の水をトータルコーディネート
~省エネ・創エネから、将来の広範なPFAS規制を見据えた“完全破壊”まで。日水コンが描く産業水インフラの最適解~

2026年1月14日

上下水道コンサルタントのトップランナーとして、半世紀以上にわたり日本の水インフラを支え続けてきた株式会社日水コン。同社はその膨大な知見とエンジニアリング力を民需市場へと大きく広げようとしている。InterAqua 2026で彼らが提示するのは、単なる排水処理設備の提案ではない。排水からエネルギーを生み出すRABIT、AIで電力コストを削減するNEWS、そして将来の規制強化を見据えたPFAS除去・破壊システムForeverGoneだ。
地球規模での水環境を俯瞰している水コンサルだからこそ提案できる、工場の持続可能性と収益性を高めるためのトータルソリューションについて、日水コンに聞いた。

公共インフラの守り人が、なぜ「産業廃水」に挑むのか

日水コンといえば、自治体の上下水道事業を支える、公共事業のパートナーというイメージが強い。なぜ今、民需である産業水インフラへ本格的に参入するのか。その原点は、水コンサルとしての根源的な使命感にあった。
「我々は長年、国内の公共事業や海外のODAを通じて水インフラを支えてきました。しかし、水という視点で地球環境を考えたとき、大量の水を使用し、排出する産業界の水の課題を避けては通れません」と同社担当者は語る。
特定の機器を製造するメーカーではないコンサルタントだからこそ、しがらみなく世界中から「本当に良い技術」を見つけ出し、日本の課題に合わせて実装することができる。このForeverGoneをはじめとするソリューション群は、日本の産業界をアップデートするために日水コンが選び抜いた“最適解”といえるだろう。

図1:日水コン・決算説明会資料より

「水からエネルギー」を回収し、ランニングコストを劇的に下げる

その“最適解”の一つが、水処理コストの削減脱炭素の両立だ。多くの工場にとって、廃水処理は利益を生まないコストセンターと見なされがちだが、同社の技術はその常識を覆す。

1. 廃水が燃料に変わるRABITシステム

食品工場や化学工場等から排出される高濃度有機廃水は、処理に多大な曝気動力を要する。しかし、同社が提案するRABIT(Rapid Anaerobic Biogas Transition)システムを導入すれば、この負荷を資産に変えることができる。核となるのは、効率的な嫌気性処理(UASB)技術だ。廃水中の有機物をメタンガスとして回収し、ボイラー燃料や発電に利用することで、創エネを実現する。同時に、好気性処理に比べて余剰汚泥の発生量を大幅に削減できるため、産廃処分費のカットにも直結する。まさに、カーボンニュートラルとコストダウンを一挙に達成する技術だ。

図2:RABITシステムの検討イメージ

2. AIがムダを削ぎ落とすNEWS

既存の廃水処理設備を生かした省エネ提案もある。それが、曝気量の自動制御システムNEWS(New Energy-save Wastewater treatment System)だ。有機廃水処理において最も電力を消費するのは、曝気ブロワで、全体の消費電力の多くを占める。NEWSは、流入負荷や水質変動に合わせて必要な空気量をリアルタイムで演算し、ブロワの運転を最適制御する。
「過剰な曝気を防ぐことで、処理水質を安定させながら、消費電力を10〜20%削減可能です。大規模な土木工事を伴わず、制御システムの導入で実現できる点も、工場にとって大きなメリットです」(同社担当者)。

図3:曝気量の自動制御システムNEWSによる電力消費量

PFAS対策の未来への投資。規制強化を見据えた“完全破壊”

省エネ技術と並び、今回の展示の最大の見どころとなるのが、世界的な水処理ユニコーン企業、Gradiant社と提携したPFAS除去・破壊システムForeverGoneだ。 現在、日本で規制対象となっているのは主にPFOSとPFOAの2物質だが、世界的にはより広範なPFAS類への規制強化が進んでいる。半導体や電子部品業界においては、現在の基準を守るだけでなく、将来、規制物質が増えた時にも設備を買い替えずに対応できるか、という長期的なリスク管理が重要視されている。

ForeverGoneは、独自のマイクロ泡分離電気酸化を組み合わせることで、この課題に応える。特筆すべきは、現在規制されている長鎖PFAS(除去率99%以上)はもちろん、従来の処理法では除去が難しいとされる短鎖PFAS(PFBA等)に対しても、80〜90%以上の高い除去効率を発揮する点だ。幅広い物質に対応できるこの技術は、将来的な規制対象の拡大を見据えた、未来への保険として、極めて有効な投資となるだろう。

従来技術の弱点は、PFASを吸着した材(活性炭やイオン交換樹脂)が産業廃棄物となり、焼却処分が必要になることだった。これには高額なコストと、運搬中の漏洩リスクが伴う。対してForeverGoneは、分離・濃縮したPFASを、その場で独自の電極を用いて分解し、99.9%以上無害化する。濃縮廃棄物を外部に持ち出すリスクがなく、わずか1.2~2.0kWh/m³程度の低電力で運用できるため、ランニングコストと環境負荷を最小限に抑えることが可能だ。TIME誌の「2024年の最も優れた発明」にも選出され、ドイツ・ミュンヘン空港での導入実績もあるこの技術は、日本の産業界にとっても新たなスタンダードとなり得るだろう。

図4:ForeverGoneによるPFASの分離と分解

コンサルタントだからこそ、「全体最適」を提案できる

日水コンの強みは、特定の機器を売ることではない。顧客の工場全体の水フローを診断し、工場の事情に合わせた全体最適な提案ができる点にある。
InterAqua 2026のブースでは、これらの技術の実機模型やパネル展示に加え、技術者による個別相談も可能だ。これまでに培った信頼と技術力を、産業界の課題解決にも生かす取組みを紹介する。ぜひともブースに足を運んでほしい。

小間番号 : 2S-M19

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